通常の先物価格は、現物価格と乖離が生じている場合があり、このスプレッドを「ベーシス」と呼ぶ。先物契約が受渡日に近づくと、ベーシスはゼロに近づく。無期限契約は満期日が存在しないため、ファンディングコストを計算する際は、基礎となる価格は無期限契約の約定価格に固定される。
ファンディングコストの徴収
ファンディングコストは8時間ごとに徴収され、その時刻は8:00、16:00、24:00(HKT)の3回である。同時刻にポジションを保有している場合にのみ、ユーザーはファンディングコストを負担する必要があり、徴収前にポジションを決済した場合にはファンディングコストは発生しない。
ファンディングコストの計算
ファンディングコストの料率は、金利とプレミアム / ディスカウントの2つの部分から構成される。このレートは無期限契約の取引価格を基礎とする参照価格に連動するよう、厳密に設計されている。これにより、スワップ契約は、買い手と売り手が定期的にファンディングコストの料率を変更して行う、スポット市場での証拠金取引に近似する。
ファンディングコストの支払額および受取額は、以下のように計算される。
ファンディングコスト = ポジション価値 × ファンディングコスト料率
ポジション価値 = ポジション数量 ×券面価格 x 現在のマーク価格
ポジション価値とレバレッジの倍率は無関係である。 ファンディングコスト料率がプラスの場合、買いは売りの支払いに充てられ、逆にファンディングコスト料率がマイナスの場合には、売りは買いの支払いに充てられる。
たとえば、A氏が0.001BTCの約定金額で買いポジションを100枚保有していたとする。BTC無期限契約の現在のマーク価格は8,000USDT、ファンディングコスト料率を0.01%とすれば、A氏が支払うべきファンディングコストは0.001*100*8000*0.01%=0.08USDTとなる。
金利
金利には基本通貨と決済通貨間の借入レートを用いる。
金利 (I) = (決済金利指数 - ベース金利指数) / ファンディングコストの乖離
但し、Deepcoinでは、ファンディングコスト料率には固定利率を採用している。利率はデフォルトで1日あたり0.00%に設定されている。但しFF金利などの市況に応じて変更もありうる。
プレミアム / ディスカウント
時として、無期限契約の価格は決済価格と比較して、かなりのプレミアムあるいはディスカウントが発生する場合がある。この場合、プレミアムインデックスを用いてファンディングコスト率を増減し、現在のスワップ契約における取引レベルに合わせる。計算は以下の通り。
プレミアムインデックス (P) = ( Max ( 0 , 買気配価格 - マーク価格) - Max ( 0 , マーク価格 - 売気配価格)) / スポット価格 + マーク価格の公正ベーシス
買気配価格 / 売気配価格
買気配価格は、マーケットの注文状況に基づき、最初の買い注文から始まる「N件」の契約の買い注文の平均約定価格により算定される。
売気配価格は、マーケットの注文現状に基づき、最初の売り注文から始まる「N件」の契約の売り注文の平均約定価格により算定される。
Nの値は、BTCの無期限契約は80、その他の通貨は800としている。
最終的なファンディングコストの計算:
Deepcoinは1分毎にプレミアムインデックスを計算、その時間加重平均を8時間ごとに計算、ファンディングコスト料率は8時間ごとの金利とプレミアム / ディスカウントに基づいて計算される。バッファは+/- 0.05%である。
ファンディングコスト料率 (F) = プレミアムインデックス (P) + clamp(金利 (I) - プレミアムインデックス (P), 0.05%, -0.05%)
よって、 (I-P)が +/-0.05%の間であれば、 F = P + (I-P) = Iとなる。言い換えると、プレミアムインデックス-0.04%から0.06%の間であれば,ファンディングコスト料率は0.01%となる。
ファンディングコスト料率の上限
Deepcoinでは、ユーザーが常に最高のレバレッジを利用できるよう、ファンディングコスト調達料率に上限を設定し、2つの制限を設けている。
ファンディングコスト料率の上限は、 (有効証拠金 - 維持証拠金) × 75% とする。
仮に有効証拠金が 1%,維持証拠金が 0.5%の場合、ファンディングコスト料率の上限は 75% × (1%―0.5%) = 0.375%となる。
さらに、ファンディングコスト料率は、ファンディングのインターバル間で維持証拠金の75%以上は変化しないよう制限される。
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